漢方が合う・合わないはどうやって判断する?
漢方薬が合わないと感じる理由
漢方薬を飲み始めると、軽い頭痛や倦怠感、眠気などがあらわれることがあります。今までなかった症状が出ると、漢方が合わない?と思われることでしょう。ですがこれらの症状は、漢方薬や健康食品を飲み始めたときに起こる「好転反応」かもしれません。この好転反応とはいったいどのようなものか、説明していきますね。
酸化した体を元に戻してくれる力を「還元力」と言います。還元力の高いもの(漢方)が体内に入ると、体内の老廃物や有害物質を排出しようとする浄化作用が起こり、次に細胞をよみがえらせる新生作用が起こります。よみがえった細胞には免疫力や抵抗力がつき、自然治癒力が高まり、体の悪いところを修復していきます。この浄化作用や新生作用のときに一時的に起こる症状が、好転反応です。
好転反応には眠気・だるさ・便秘・下痢・発熱・吹き出物・腹痛など様々な症状がありますが、体が正常な状態に戻るためのプロセスですので過剰な心配はいりません。あらわれ方には個人差があり、ほとんど出ない人から強く出る人までいます。好転反応は何度か繰り返しますが、その症状は徐々に弱くなっていきます。2、3日で症状があらわれ、10日ほどで消えていくのが一般的ですが、1ヵ月以上かかる場合もあったりと、これも個人差が非常に強いです。また慢性的な疾患をかかえている場合、長引く傾向にあるとされています。
好転反応なのか副作用なのか分からないときは不安になりますよね。好転反応は体の悪いところに出るのに対し、副作用は問題のないところが悪くなるという特徴がありますが、見分けは難しいものです。症状に不安があるときは無理をせず、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
漢方薬に向いている人
漢方薬で改善が見込める病気はたくさんありますが、西洋医学で病名が付きづらい症状においては特に効果があらわれやすいです。西洋医学で病気と判断されなかったけれど症状は辛い・西洋薬が処方されたけれど改善されなかった、こんな方は漢方薬で改善されるかもしれません。女性に多い悩みを中心に、いくつか例を紹介します。
他にも便秘・不眠症・腰痛・ストレス・疲労など、様々な症状の改善に漢方が使われています。1つの症状に対して1つの漢方薬があるのではなく、体質や細かい症状の違いによって異なるものが処方され、根本的な体質改善を図ります。原因不明の不調でお悩みの方、一度漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。
煎じ薬とエキス剤の違い
漢方薬には大きく分けて「煎じ薬」と「エキス剤」があります。煎じ薬は、医師や薬剤師が患者の体質と症状に合わせて生薬を調合し、処方するものです。生薬の配合する割合も細かく調整され、いわばオーダーメイド的な漢方。お湯で煮出して飲みます。
一方でエキス剤は、煎じ薬を濃縮して顆粒や錠剤にしたものです。煎じ薬と違い、生薬の種類や配合の割合は統一されています。一般的な病院で処方される漢方薬はエキス剤がほとんどで、ドラッグストアなどで見かける漢方薬もエキス剤です。多くの人に馴染みがあるのはこちらでしょう。
煎じ薬のメリットは、体質や症状に合わせて細かく生薬の種類や分量を変えられること。また、生薬の効果を引き出しやすいことです。デメリットとしては患者自身が煮出ししなくてはならないこと・湿気ないよう保管に気を配らなくてはならないことなどが挙げられます。
エキス剤のメリットはその逆で、飲みやすく保管が楽、外出時も服用しやすいということでしょう。デメリットとしては、生薬の配合が固定されていることです。どちらが合うかはその人により、また症状により違ってきますが、まずは服用しやすいエキス剤から始めてみるといいかもしれません。
栄養素 | 煎じ薬 | エキス剤 |
---|---|---|
メリット |
・生薬の効果を引き出しやすい ・体質や症状に合わせて生薬の配合を変えられる |
・飲みやすく、煎じる手間がない ・保存しやすい ・携帯しやすい |
デメリット |
・自分で煮出さなくてはならない ・外で飲みづらい ・保存に注意が必要 |
・生薬の配合が固定されている |